“新星都市の忍” ハロルド・ユカワ

原画・彩色 揚 紅龍@管理人

ゲスト専用キャラクター スタイル:クグツ=クグツ=クグツ◎●

登場作品: EmperialGuard

 

 薄暗い部屋の中で。二人の男がテーブルを挟んで向かい合っている。会話の内容は・・・今度イワサキから発表される新製品の取引に関してだ。

「・・・これがこの業界の次の世代を支配するというマシンかね?」

「はい。DOMと申しまして、今後のN◎VAのゲーム市場のスタンダードになるマシンでございます。」

 片やトロンメーカーのクグツで営業マン、片やイワサキのエグゼクでスポンサーである。どちらもいかにも自社の命運がかかっているというそぶりをしている。少しでも自分の有利な様に交渉を進めるのがクグツやエグゼクに課せられた命題だ。
 今度イワサキから発売されるトロンは今までにない高性能で、
千早の驚異になりうる・・・そう言う情報を聞きつけて私はこの場に来ていた。

「・・・ですから、この様に今までにない斬新なコンセプトをうち立てることにより・・・・・・。」

 相手の興味を少しでも逸らすまいと、商品のセールスポイントを並べ立てるクグツ。分かり易く丁寧に説明する。質問にもはっきり答える。・・・それでいて、都合の悪い部分には気付かれないようにする。売り込み方は、まぁ、及第点と言ったところですか。・・・営業マンとしては。

「口頭の説明だけではおわかりにならないと思われますので、サンプルをお持ちしました。どうぞ。」

「ふむ・・・なるほど。」

 それから、詳しい説明がされた仕様書まで出してくる。手回しの良いことだ。

「いかがでしょうか?」

 スポンサーの顔色をうかがうクグツ。

「ふむ。確かにこれは高性能ですね・・・。我が千早を脅かす存在になりうる。」

「??!!」

 パン

 乾いた銃声と共に倒れるクグツ。その顔はさも意外と言った表情だった。

「・・・なぜ?」

「済みません。申し遅れました。私、千早重工のハロルド・ユカワと申します。」

 そう、彼がイワサキのエグゼクだと思いこんでいたのはこの私だ。顔に張り付けた特殊メイクをはがしながら言ってやる。

「残念ですが、会合の場所は変更になったのですよ。本物のイワサキの方は今頃夕霧であなたが来るのを待っているはずです。」

「な・・・に?」

 パン

「確かにこれは高性能です。しかし・・・勝利するのは常に千早です。そのために私が居る。」

 既に事切れたクグツに言ってから、書類やサンプルを改め、携帯端末を取り出す。

「部長、ユカワです。例の物を入手しました。只今より本社に戻ります。」

 


と言う訳で、ギャラリーSS第3回クグツ編でした。

名前から予測できるでしょうが、この人は元々はギャグキャラだったんです。

ただ、妙に使い勝手が良かったため、そのまま重要NPCの地位に長く居座ることになってしまいました。

クグツの《完全偽装》もここまで使えれば最強かなぁ、と思いつつ書いてみました。いかがでしょう?

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