RL揚： がらんとした聖堂の中に足を踏み入れる。
RL揚： 人払いをしてくれているらしく、アゼルの他は全て外で待機しているらしい。
RL揚： 現場は確かに聞いたとおり、綺麗なものだった。
RL揚： ──だが、ここで20人からの精鋭が殺害された。それは事実だった。

アゼル： 「…………」

アゼル： 割れた窓から降る光は、どこか濁って見える。
アゼル： 周囲を、ゆっくりと歩く。

RL揚： 宙を舞う埃が、返って差し込む光の通り道を浮かび上がらせている。
RL揚： あたかも、散って行った聖騎士達の魂を導くかのように。

アゼル： 撫でる。壁を、床を――何があったかを確かめるように。
アゼル： それは問うているのかもしれない。魂に――この場所に。 アゼル： 「――……」

アゼル： あのコは――どうしただろうか。
アゼル： ジヴリルは――どうした、だろうか。

アゼル： 「ジヴリル――……」

アゼル： 名を呼んでみても答えは来はしない。
アゼル： ただ、伽藍に声が響くのみ――



RL揚： ふ、と空気の“匂い”が変わった。

RL揚： 　　　　　　　　　　　　　　　　　　「あのコはここには居ないわ。連れて行ったもの。」

アゼル： 声。
RL揚： ──声が響く。高いソプラノ

RL揚： いつからそこに居たのだろう。
RL揚： ステンドグラスを背に、教壇の上に腰を掛け、
RL揚： 一人の少女がキミを見下ろしていた。

RL揚： 　　　　　　　　　　　　　　　　　　「うふふふ………こんにちは、お兄さん。」

RL揚： 寒そうにも見える、白い薄絹のドレス
RL揚： それとは対照的に陽光を反射して燃えるように紅く輝く長い髪。
RL揚： そして、赤い瞳が神父をその中に納めていた。 アゼル： ゆっくりと立ち上がる―― ただ、女を視界に入れる。
アゼル： 美しい女だと思った――バラの花に似ている。
アゼル： 美しいが故に、棘を持つ華。それに――毒がありそうだった。

アゼル： 「――戦うつもり、か？」
RL揚： 少女「うーん、お兄さん次第かな。」

RL揚： 少女「お兄さん──………アゼル=クライス？」

RL揚： ふわり、と教壇から降り立つ。
RL揚： まるで実体がないかの如く、 重力を感じさせない動きで、キミの目の前に立った。



アゼル： 剣に手をかけ――投げた。 アゼル： がしゃん、と地面にはねて、音がする。
アゼル： ゆっくりと両手を広げる。 アゼル： 「――……そうだ」
RL揚： 少女「うふふふ………噂に聞いた通りだ。」

RL揚： 嬉しそうに、ではない。──可笑しそうに笑った。

RL揚： 少女「じゃぁ、私も名前を教えてあげる。」
RL揚： 少女「【フランマ】って言うの。よろしくね、お兄さん。」

アゼル： 「――フランマ……」
アゼル： 外見に、良く似ていた。 アゼル： 「……何か、ようか？」
RL揚： フランマ「うん。」
RL揚： フランマ「お兄さんの邪魔をしにきたの。」

RL揚： にっこりと、邪気のない笑顔でそう告げる。

アゼル： 「…………」
RL揚： フランマ「でも、お兄さん、剣を置いてくれたから、今日はお願いだけにしてあげるね。」

アゼル： 「……そう、か」



RL揚： フランマ「──ジヴリル、ってコのこと、探さないで。」

RL揚： きっぱりと、お願い──要求を、突きつけた。

アゼル： 「…………」
アゼル： 表情が、歪む。とても困った顔に――

アゼル： 「……何故？」
RL揚： フランマ「【アゼイリア】が、あの子のことを要るから。」
RL揚： フランマ「【アゼイリア】の【目的】の為にあの子が要るから。」

アゼル： 「……アゼイリア？」
RL揚： フランマ「私たちの恩人。私たちの家族。私たちの──
RL揚： 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Master。」

RL揚： 歌うように答える。

アゼル： 「――……すまん」
アゼル： 謝り、少女に手を伸ばす。

アゼル： 「――……アイツも、俺の家族、だ」
RL揚： フランマ「──うん。答えも分かってたよ。」
アゼル： 少女に触れる。

アゼル： 「……すまん」
RL揚： 嫌がる様子は見せない。──バサラの纏った魔力、感覚のみが彼女の髪の感触を伝えてくる。
RL揚： 彼女は──[意識体-GHOST-]。

アゼル： 「…………怒っている、か？」
RL揚： フランマ「ううん。本当はここで焼いちゃう予定だったけど、剣を置いてくれたから、今日は見逃してあげる。」

アゼル： 「……優しい、な」
アゼル： 何度か、優しく頭を撫でる――いつか殺しあうと判っていても。
RL揚： 軽く目を閉じ、それに甘んじる── アゼル： だからこそ、ここでの優しさが、ひどく空しく感じた。
アゼル： 許しを請うように、口を開く。

アゼル： 「スマン――」
RL揚： フランマ「──そろそろ、行くね。」
RL揚： フランマ「追いかけてきたら、今度は焼いちゃうから。」

アゼル： 「……待て」
RL揚： フランマ「ん？」
RL揚： 肩越しに振り返る。

アゼル： きゅ、と少女の手を握る。
アゼル： 二度、三度と振る。まるで約束でもするかのように――

RL揚： フランマ「………………。」
アゼル： 口には出さない。口に出してしまえば薄れる気がしたから――だから。

アゼル： 「――もう、いい……また、な」
アゼル： その約束は、自分の中でだけ、留めた。
RL揚： フランマ「………ん。」
RL揚： 頷いた少女の姿が、炎に変わる──
RL揚： いや、本来の姿に戻ったのだろう。
RL揚： そのまま、アストラルの奥へと消えて行った。

アゼル： 「――フランマ、か」
アゼル： 僅かに熱くなった掌を、ゆっくりと二度三度と握り締め、コートを翻す。
アゼル： 伽藍に足音が響く。

アゼル： はじめよう――全てを……ために。

---

■舞台裏

◎真央

真央： 自分なりにジブリルの行方を捜す
真央： リサーチ：ジブリルの現在のアドレス
RL揚： 推奨技能：〈社会：アストラル〉〈社会：ストリート〉〈社会:真教or聖母殿〉　〈コネ：【ジヴリル=L=S=クライス】〉
RL揚： 目標値：成立　10　15

真央： 〈コネ：ジヴリル=L=S=クライス〉【理性】９＋Ｓ８　＝　１７

RL揚： ・成立：第5特務分隊全滅後は不明。死体は見つかっていない為、生存を仮定して捜索が行なわれている。
RL揚： ・Lv10：戦闘不能に追い込まれ“紅蓮の-Russus-”【アゼイリア】によって拉致されたらしい。
RL揚： ・Lv15：現在のアドレスは不明──ただし、聖母領(北極圏)から外に出ていないことは確実である。



◎レイ

レイ： リサーチ　【呪具】　で
RL揚： 推奨技能：〈社会：アストラル〉〈社会：聖母殿or聖母領or真教〉　〈コネ：アゼイリア〉〈コネ：アストラル系〉
RL揚： 目標値：成立　10　15

レイ： 〈コネ：”槍”カイル〉【外界】５＋Ｄ８＋報酬点２で１５

RL揚： ・成立：西インド地方で秘蹟管理局の回収部隊によって発見された秘宝。
RL揚： ・Lv10：大災害を引き起こす事の出来る強力なマジックアイテム。
RL揚： 　　　　本来は、秘蹟管理局の手で厳重に保管されているべき代物であるが、【アゼイリア】によって強奪された。
RL揚： ・Lv15：長らく封印されていた、強力な【火炎の魔獣】を封印した物である。



◎サファイア

サファイア： Research:【ジヴリル=L=S=クライス】
RL揚： 推奨技能：〈社会：アストラル〉〈社会:真教or聖母殿or聖母領〉〈社会：ク・リトル・リトル〉　〈コネ：ク・リトル系〉〈コネ：聖母殿系〉
RL揚： 目標値：成立　13　15

サファイア： m:銀の目起動
サファイア： M:〈社会:アストラル〉+〈事情通〉　感情:6+1(SE)+4(Skill)+C5(札)=16

RL揚： ・成立：聖母殿に所属する修道士。アゼル=クライスを師事し、篠塚煉を兄に持つ。
RL揚： ・Lv13：篠塚煉のクローン。“銀灰”と呼ばれる存在。浄化派の手によって生み出され、その後自我を持って離脱した。
RL揚： 　　　　生産時に、より濃くジンガイ-HIRUKO-の因子を持つように調整されている。
RL揚： ・Lv15：浄化派は、篠塚煉に比して、【因子】が強力である、と言う調査結果をえたらしい。

---