《難攻不落》っ!!! トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“蟲姫”

エンディングフェイズ2nd
メインキャスト:ALL
シーンカード:カブキ
舞台:“石鎚山”山頂

RL柳生:          ―― 再開 ――





RL柳生:  ミコトの決意も決まった。
RL柳生:  “身”との約束を果たし、“四ツ眼”が“皇”の継承に臨んでいる。

 かつり かつり
RL柳生:  と、先代の“皇”の屍を喰らう“四ツ眼”。
RL柳生:  滋養をつけ、新たな“皇”の継承をなすための聖餐。

ジヴリル: 「────………。」

RL柳生:  ミコトは“皇”の継承を見届けてから、森を去ると決めているようで、
RL柳生:  先代を喰らう“母様”を見つめ、微動だにしない。
RL柳生:  いや、微かにその拳が震えるのを押えている。

RL柳生:  それから、どれほどの時が経ったか、

RL柳生:      「……厳しいのう、蟲達の理は」

RL柳生: ぽつりとした呟きが、場に落ちた。

RL柳生:      「そして、何と言う気高い姿か」

ジヴリル: 「ん……これも…ヒルコが、ヒトが………生きるため………」
天宮: 「彼らには彼らの生きる道があるゆーこってす」
ジヴリル: 犠牲と、礎。命の循環──その光景から目を反らせず、呟く。
レイド: 「……」
レイド: 何も言わず、無言でその様子を眺める…いや、見つめる

RL柳生:      「そうだな。そして、彼らの営みがわしらの世界を支えてくれておった……」
RL柳生:      「わしはまた、大きな過ちを犯す所であった」
ジヴリル: 「──………空魁師は、どうされます、か?」

RL柳生:     当に限界を過ぎ去った空魁の顔色は死の影が濃く。

RL柳生:      「そうさなぁ……とりあえずは、後始末であろうな」
RL柳生:      だが、それを振り切り、地面に手をついて立ち上がろうとする。

ジヴリル: 「少しくらい、休んでも、誰も怒らないと思いますよ?」
RL柳生:       答えず、穏やかな目でジヴリルを見つめ、そして誠に目を向ける。

RL柳生:      「誠。先の手並み、見事であった。もう、おぬしに教えることは一つだけよな」

天宮: 「?……師匠?」
RL柳生:      「わしをまだ師匠と呼んでくれるか。有り難いのう」 
天宮: 「師匠はいつかて僕の師匠ですやん」
RL柳生:      「ふふっ、違いないのう」 嬉しげに眼を細め、

RL柳生:      「なれば、最後に師としてお前に伝えることがある」
RL柳生:    言って、立ち上がった。
      かはっ
天宮: 「最後って……最後って、何いうてますのん?」
天宮: 「!師匠!?」

RL柳生: 「心配せずとも良い、まだ逝かぬよ」 口元を拭うと、僧衣に赤の色。

RL柳生:      そして、常の如くきっぱりと言った。

RL柳生:      「レイド! そして、ミコト。わしに力を貸してくれい!!」

RL柳生:       どこにそれ程の力があるのか、山を震わせる大声。
ジヴリル: 「何を──………?」

DIVINE WORK《Timely》

RL柳生:       空魁は言うなり、数珠についた通信機をタップする。
        ギュィィィィッ!
RL柳生:       と、風切り音が凄まじく響き。
RL柳生:         石鎚山に巨大なウォーカー用パイルバンカー“牙突”が突き刺さる。
RL柳生:        レイドは知っているが、これはパイルバンカーにあらず。

天宮: 「なっ」

RL柳生:         最超の開発したパワースポット制圧用地殻断裂兵装だ。
RL柳生:          ※最超s《タイムリー》

レイド: 「…まったく、なんだかんだで、無茶をするな、空魁師」
RL柳生:        「お前にはいつも苦労をかけるのう、レイド」
レイド: 「まぁ…大した苦労でもないし、問題ないですよ…」

RL柳生:       「すまぬな。レイド、これの使い方はわかっておろうな」
RL柳生: 確認するまでもない。制圧軍では、レイドが一番多くのパワースポットを落している。
レイド: 「ん…大丈夫だ…」

レイド: 「何時もと…逆転の発想で打ち込めば良いだけだろう?」
RL柳生: 「話が早くて助かるのう。場所は、わしが指定する。細部は、ミコトが分かる筈じゃ」
天宮: 「・・・・・・」
RL柳生in舞台裏: ようは、針治療を施そうと言うわけです。
天宮in舞台裏: (´=ω=) ほほう
RL柳生in舞台裏: 空魁が誘導して、ミコトが細かく指定、レイドが打ち込むw
レイド: 「了解…ミコト、誘導を頼む」
レイド: 白いヴァローナが空を駆ける
RL柳生: 「任された……」 頷き、コクピットのレイドの膝の上に乗る。

RL柳生: 「狭いな、ここは。ん、準備は良い」 滑り込んだ座席に、小さな体をすぽりと埋めた。
レイド: 「いや、本来一人乗りだし、これ…狭いのは少しだけ我慢してくれ」
RL柳生: しなやかな肢体。黒髪からの以外に清らかな匂いが鼻腔をくすぐる。
レイドin舞台裏: ちょ、何時の間に乗った!?
天宮in舞台裏: (´=ω=) すばやい
RL柳生in舞台裏: すまぬな、レイドさん。魔がさした(爆)
レイドin舞台裏: ははは
ジヴリルin舞台裏: ジヴリル|っ-∀-)っ 役得役得♪
ジヴリルin舞台裏: ジヴリル|っ-∀-)っ 「うーらやましー」
DIVINE WORK《Fite!》

RL柳生: 「空魁! こちらの準備は何時でも良い!!」
レイド: 「こっちも行ける…ミコトっ!」
RL柳生: 「ああ、信じている。そして、一つだけ答えてくれ……奴は、信じて良い男か?」

RL柳生: 黒い大きな眼が凛と光る。

レイド: 「ん…当然だ、あの人は信じられる人だ…だから、安心して…ポイントを指定してくれ」

レイド: 視線を合わせ、片手で頭を撫でながら、しっかりと言葉を紡ぐ
RL柳生: 気持ち良さそうに、微かに眼を和ませ。

RL柳生:      「分った。お前が信じるのなら、私も信じよう」
RL柳生:         《ファイト》 to  空魁

RL柳生:        その通信に、微かに眼を細める空魁。
RL柳生:           彼には、それだけで十分すぎた。
DIVINE WORK《Timely》

RL柳生:           「こぉぉぉぉぉぉぉぉっ・……」

RL柳生:        空魁の呼気と共に気勢が膨れ上がる。
RL柳生:           背後で、遠隔操作の“不動明王”が主と同じ構えを取る。
RL柳生:          周囲の小石が上昇気流に巻かれたように浮き上がり、
RL柳生:           空魁の僧衣が上へとはためく。

RL柳生:          「見ておれよ、誠。これが“鋼法大師”が最後の拳……」

RL柳生:            呟きと共に、気配が弾ける。

RL柳生:             その拳が大地の一点へと撃ち落された。
RL柳生:             《タイムリー》

RL柳生:                  〈白兵〉〈点穴〉〈遠当〉〈徹し〉〈気功〉 【理性】SA=21
RL柳生:          対象:死国
RL柳生:       ※地脈の修正



RL柳生:         炸裂する衝撃が石鎚山を揺らす。

RL柳生:        「打てい、レイド!!」

レイド:雄雄雄雄雄雄おおおぉぉぉぉ!
レイド: ズンッという、音と共に、巨大なパイルバンカーが打ち込まれる!

RL柳生:        衝撃が地殻を抜いて、マントル層直下に響く。
RL柳生:          浸透する一撃は、脈動するヤマタノオロチの気脈のツボを押え鎮めさせる。

RL柳生:         同時に、微細に続いていた小さな余震が消え去った。。
RL柳生:         誠の手にある観測データの内容で、膨れ上がっていた地殻下のエネルギー値。
RL柳生:         それが制圧作戦開始前のそれと同程度に低下する。
天宮in舞台裏: ・・・・
天宮in舞台裏: ナニヤッテルンデスカ
RL柳生in舞台裏: 死国を修正した。主に、レイドさんが。
天宮in舞台裏: ・・・
ジヴリルin舞台裏: |m-∀-)m
ジヴリルin舞台裏: |m-∀-)m あれがキミの師匠ですか。
RL柳生:       「レイド、ミコト。見事だ……」
RL柳生: 白いヴァローナを見て、にっと笑い。

RL柳生:       ついで、空魁はゆらりと揺れ、その場に崩れ落ちた。

ジヴリル: 「空魁師!」
ジヴリル: 彼に駆け寄り、抱き起こす。

RL柳生: 赤い色がジヴリルの上着を濡らした。
RL柳生: 脈が弱く、顔からは血の気が失せている。

天宮: 「……龍脈エネルギー値、正常値に移行です」
天宮: ぽつり
天宮: 観測機に透明な雫が落ちる。

ジヴリル: 「………もう、大丈夫だよね?………休みましょう。」
RL柳生: 「ああ、そうじゃのう……少し、疲れたわい」
天宮: 「後の事は任せてください」
RL柳生: 「ああ。任せる。任せることが出来る……」

RL柳生: 不意に、空魁が笑い始める。

RL柳生: 「ふっ、ふははっ。そうじゃのう、任せることだって出来たのだな……任せても良かったのだな……」
RL柳生: むせながら、子どもが始めて物を一つ覚えたように笑う。

天宮: 「師匠は頑固すぎたんや」
RL柳生: 「そうだな。それ故に、わしは焦りに囚われておった」

天宮: 「今はどーです?」
RL柳生: 「満足しておるよ。そして、随分と楽になった……」
RL柳生: 穏やかに笑む。

天宮: 「そらよかった」
天宮: 何とか、笑えた。

RL柳生: 「……しかし、あの時のお前の拳は効いたよ」
RL柳生: 「今まで、どんな相手にも負けたことはなかったが、あれには負けた。初めて負けた」
天宮: 「またまた。こっちの手はプラプラ言うてますのに」
RL柳生: 「ふはは、鍛え方が足りんからじゃ、未熟者め。具体的には、巻き藁を1日10,000本じゃな」
RL柳生: 何時かのように笑う。だが、その生命は既に零れつつある。

天宮: 「そないに叩いたら、プラプラどころか、もげますわ」

ジヴリル:      「………………………。」  そのやり取りを見ながら唇を噛んで黙り込んでいる。口を開けない。

RL柳生: 「粗塩を使って揉めば良い。科学的にな……」
RL柳生:     呟き、そしてふと遠くを見つめる。

RL柳生: 「なあ、誠。わしはかって、日本の研究者として神を作り出そうとしておった」
天宮: 「……はい」
RL柳生: 「何でもできると思っておった。人の力に限りはないと、そう信じておった。傲慢にもな」
RL柳生: 「そして、生み出されたのがヒルコウイルスであり、そしてあの“小災厄”だ」
天宮: 「……はい」

RL柳生: 「今も続くヒルコと人の争い、そしてミュータント達の悲哀は全て、わし等の傲慢から生じたものじゃ」
RL柳生: 「取り返しのつかぬ罪であったよ。今も続く、命を弄ぶ馬鹿共の跳梁も、元を正せばわしが生みの親のようなものだ」
RL柳生:   視線がジヴリルを見る。

RL柳生: 「なあ、ジヴリルよ。もし、恨むならわしを恨むのだ」
ジヴリル: 「………そんな。」
ジヴリル: 「───恨むなんて…僕らは───」

ジヴリル: 「───僕らは───生きていますから。苦しくても……生んでくれた人が、居るから。」
RL柳生: 「……そうか……そう、言ってくれるか……優しいのう、お前は」
ジヴリル: 「───きっと、ここに居る誰も、恨みはしません。」

RL柳生: 「……」 すっと手をあげ、空魁は袖で目元を隠す。
RL柳生: しばし、その肩が小刻みに震えた。
RL柳生: 長く溜めていたものが、溢れるのを必死に堪えるように。

RL柳生:       「誠よ……師としての最後の教えを授けよう」
天宮: 「……は、い」
RL柳生:           「わしのようにはなるな」
天宮: 「師、匠……」
RL柳生:      「今のわしの無様な姿を、お前は生涯に忘れるでないぞ」

天宮: 「……そんなん、」
天宮: 「無理ですわ」
天宮: 「師匠は無様なんかやない」
天宮: 「凄い人や」
天宮: 「僕は、師匠を目指す」
天宮: 「ずっと、ずっと」
天宮: 「師匠は」
天宮: 「僕の、師匠や」



RL柳生:      「そうか……」 眼を細め、何時かのようにその頭を撫でる。



RL柳生: 「ならば、一つ誓うのだ。あの『神の眼』をみだりには用いぬことをな」
RL柳生: 穏やかに言う。
天宮: 「はい。……はい」
RL柳生: 「あれは、かって“災厄”を引き起こし、あのヤマタノオロチを活性化させた罪の十字架と同じ力よ」
天宮: 言葉に頷く度に、雫が零れる。
天宮: 「はい……」
RL柳生: 「一つ間違えれば、おぬしはわしと同じ罪を生涯背負うことになる。購い切れぬ罪をな」
RL柳生: 「それだけは、してくれるなよ……」
天宮: 「誓って」

RL柳生: 「そうか……ならば、安心だ……」
RL柳生: 空魁の瞳からふっと力が抜け落ちていく。



天宮: 「……師匠?」
RL柳生: その重みが増し、視線は焦点を失って彷徨う。
RL柳生: そして。 最後に、白いヴァローナのコクピットによりそうウォーカー乗りと少女に焦点を合せ。



RL柳生:       「ああ……やはり…美紗緒に……よく……似ておるわい」
RL柳生:        老人は静かに息を引き取った。



天宮: 「……」
天宮: 「師匠……」

ジヴリル: 「………………………っ。」

天宮: 「――…ほんまに」
天宮: 「ほんまに、御疲れさま、でし、たっ」
レイド: 「…………」コクピットのなか、静かに瞑目

RL柳生: 「…………何でだろう。何で、私泣いているんだろう」 ミコトは呆然と立ち尽くしている。
RL柳生: その両目からはとめどなく涙が溢れていた。
レイド: ぽんぽんと、ミコトの頭を軽く叩き、白いヴァローナは一度艦橋の前で停止して、格納庫へと飛び去って行く

ジヴリル: 「…………貴方に、氷の祝福のあらんことを……………宗派が違うだろう、けど───ゆるし、て───。」



RL柳生: そして、長い夜が明けた。
RL柳生: 穏やかな笑みを浮かべる老人の亡骸を前に、蟲達が集って天を仰ぐ。
RL柳生: それはまるで悼んでいるようで、

RL柳生:      風の音に運ばれて流れる蟲笛の音。

RL柳生:                 何時までも、何時までも“石鎚山”に切なく鳴り響いていた。










RL柳生in舞台裏: RLは以上だ。では、そろそろ切るかな。良くなったら、言ってくだされ。
天宮in舞台裏: (´TωT)ノ
レイドin舞台裏: okっす
ジヴリルin舞台裏: |∀-)ノン OKぃ
RL柳生in舞台裏: うむ。


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