ラティア： 事の顛末を纏めての報告
ラティア： 何度行ったかはわからない 形式的な物だが、そのどれも困難な任務であった事を覚えている
ラティア： 今回の任務もまた、一人では完遂出来なかっただろう
ラティア： 最も、存在としてはアヤカシの側に位置するステラの事はぼかして報告したが…

ラティア： 「ふう……」

ラティア： 誰もいない礼拝堂
ラティア： 礼拝の時間を過ぎていれば、人気などあまりないものだ だからこそ、心や身を休めるのには心地よい空間

ラティア： 「報告は終えたが……さて」

ラティア： 一つの事件が終わろうとも その事件に関わった者全ての物語が終わる訳ではない
ラティア： 生ある限り、人の物語は続いてゆく それも、任務などより最も困難な物語が
ラティア： 礼拝堂に掲げられた聖印を見上げてから、身を翻す
ラティア： 彼の物語もまた、これより先も続いてゆく

ラティア： 　　　　　　　　　　　　　だが…

ラティア： 「少し助け舟を出しておいてやるか。苦情が出てから対処するよりは余程いい。」 ラティア： 自らの道を突き進む前の 人知れず行う、僅かな交差
ラティア： 誰にも気付かれない、舞台裏での物語りを 表舞台と表舞台の幕間に繰り広げるべく
ラティア： “嵐”は静謐な空気を僅かに震わせ、その場を去った
ラティア： 掲げられた聖印に、背を見送られながら――





RL deburu： シーンエンド

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