RLクグツ： あの後、病院に収容された
RLクグツ： 軍には今回の件について硬く口止めをされたが
RLクグツ： 無償で入院できるのだから悪くも無いのかもしれない

志信： 入院費がタダ。
志信： しかも、報酬は丸々残っている。



志信： 正直言おう。
志信： 初の快挙である。 志信： まぁ、その。
志信： 痛いんだが。



志信： 「………うー。まだクラクラする。滅茶苦茶吸い取りやがって」

志信： 増血剤を投与されてはいるものの、まだ血液は回復しきっていない。
志信： 輸血は一時しのぎにはなるが、暫くの間“血”の効力が薄まってしまう。
志信： あんまりやりたくないのが本音だった。
志信： ──今、協会の仕事が入るとマズいのである。



志信： 「まぁ。」

志信： くるり、と。
志信： 振り向いた頬に──
志信： 見事な、朱い紅葉があった。

志信： 「暫くクラリスも見舞い着てくれそーにないし」

志信： 怒らせたのである。
志信： 詳細は省く。 志信： 「大人しく寝てるかァー……」



志信： 世は事もなし、っと言うもんだ。
志信： この傷だってすぐ治る。
志信： 血だってすぐに回復する。
志信： クラリスの機嫌も──ああ、これが一番難しい気がする。
志信： だが。



志信： 日常が、戻ってくる。










志信： 　　　　　　　　「毎度あり、っと」



志信： 　　　　机においてある金の延べ棒を撫でた。
志信： 　　　　──さー、ってと。何に使おうかなぁ。




RLクグツ： そんな期待に膨らむ病室に巨大な注射器を持った看護婦が入ってくるのは……3秒くらい後の事だが
RLクグツ： それはまた、またの機会に
RLクグツ： 彼が英雄譚の主人公として現れるその時に





RLクグツ： シーンエンド

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