《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“oracle”

美沙「――先ほど、“ブラックキャット”社が襲撃を受けました」
ナナシアを呼び出して早々、早川課長が言った。

課長の前に立ち、切り出された話題に問い返す。
「損害はどの程度でしょうか」
それはある意味最も重要な問題であった。

美沙「実働員４名損耗、部長の岡本卓が含まれています」

「前線がいつも晒される小競り合い、というわけではないのですね」
処理科ほどの最新鋭の装備・練度では無いとは言え、仮にもメガ・コーポのバックアップ部隊だ。

美沙「詳細はまだ不明です」
美沙「ただ、軌道側の攻勢激化が予想される以上、戦力を削がれるわけにはいきません」
美沙「また、“ブラックキャット”は人材と資材を失うのも大きな損失です」

――　一般の処理課課員の認識はそうだが、
いざとなったらいつでも切り捨てられる外部で、時に大がかりなオプを担当する外部チームは、
実のところ、相当の練度と忠誠を要求される。
補給と装備の問題を抜きにすれば、人員の質は三班に匹敵することさえあるという。

美沙「……しかし表だって動くわけにはいきません、そこで」
美沙「隠密理に増援を出します。つまり、あなたを」

「了解しました。古巣ではありませんが、仕事の勝手を知った前線ですからね。課長の判断は理に適っています」
それでは、と頷き
「万が一のために過去の経歴偽造だけ、手配をお願いします」

美沙「申請済みです。総務からＩＤを受け取って下さい」
美沙「目的は調査と殲滅、および支援。ＢＣ社との連絡経路の確保も含まれます」
美沙「難しい仕事ですが、お願いします」

経費として１Ｇが降りた

IANUS経由で講座を確認する
「それと」

美沙「はい」

「優先順位を確認します。BC社の形の維持、スタッフ、情報。最悪の場合はどの順で確保を？」

美沙「脅威の捜索と排除を最優先に」
美沙「ＢＣ社の維持は考えなくても結構です。どのみち、近日中に倒産し、再編成します」

スタッフの警護、とは言わない。ナナシアの適正を考えてのことだろう。

「BC社の人的・外的・資産的総価値を持って、敵勢力の特定と殲滅ですね。わかりました」
「それでは、2h後に正式に活動を開始します」

美沙「よろしく」

一礼して踵を返す。情報もそうだが、装備のメンテナンスも必要だ。最前線に突入すれば、整備には大きく時間を取れないだろう。

「（突貫でやってもらわなきゃなー……また文句言われるかしら）」

社でのやり取りより少しだけ砕けた、素の言葉で考え
外出手続きのため、制服からクリスを取り出した