《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“oracle”

中は、普通の乗用車の内装をしている。
が、どれも黒沢のサイズに合わせて作られているため、
まるで自分たちが子供に返ってしまったかのような状態だ

「乗り心地のほうはちょいと悪いですが、しばらく我慢してくださいな」
ばむん、と扉を閉めて、黒沢は車を走らせ始める。

「ナナシアさん、解析してほしい物というのは、こいつです」
と、古い、古い型のデータクリスを見せる。

「んっんー……、これは……」

「私のバディが残していったものですがね──おそらく、今回の件の犠牲者かもしれない奴です」
「奴が、症状に襲われながら、残していった代物だ──何か、手がかりになる情報が残っているかもしれない」
「残念ながら、私に読めるフォーマットをしていない……だから、あなたに頼みます」

と、ごついグローブのような手のひらを差しだす

〈社会：企業〉【外界】3＋DK=13　マスカレイド購入
「わかった、やってみましょう」

「頼みます」
　一瞬視界を前方からはずし、ナナシアを見て頭を下げる

クリスをロードし、プログラムを走らせる
m:緒方のデータクリス起動/シャーロックホームズ→生命
〈シャーロックホームズ〉【生命】8＋H6=14

断片的な情報の羅列が、容量いっぱいにtxtで書き込まれている。
これの持ち主はよくもまあこれを理解できたものだ。
しかし目を通しているうちに、マスカレイド経由でなんとなく、緒方の考え方が分かるようになってくる――

流れ去る景色、うっとうしいスパムの中に、意味が紛れている。
義体の脊髄が熱い。
何故、気付かなかったのか。
街全体に、メッセージが仕込まれている。
誰かの掌の中にいるような錯覚がした。
発信されているメッセージが読み取れる。

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