《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“銀色の虹” ─反撃─

聖母殿退魔局　1課から13課まで　全82名
聖母殿異端改宗局　1課から4課まで　全39名
絶滅騎士団を含む、総勢121名(病傷者除く)が一堂に整列し、
枢機卿　ソフィア=クリスティーの指示を受けている。

今回の作戦は、相当大規模なものになる予定だ。
───Ｘ年前に行われた、氷の静謐の蜂起。
その時以来の仇敵の一人である、“黒の”アムールの、人形工場撃破。
かの高僧によって仕組まれた陰謀・破壊活動の数・影響は計り知れない。…そのアジトのアドレスが世界17箇所にわたり存在すると判明した以上、
他の全ての作戦行動は一時凍結し、全兵力を呼び戻すのもやむなし、と言うものだ。

「（―――…“黒”…）」

ソフィア「───以上17箇所。その拠点を同時に叩きます」
ソフィア「予想される“黒”及びその“傀儡”の抵抗ですが───」

ホログラムを呼び出す。
……この整列している者達のうち、何人かは直接対峙したこともあるかも知れない。
　　───或いはその経験が無くても、その姿を知るものは多かった。

ソフィア「……“銀灰の魔術師”と呼ばれています」

　　───何故なら、

「―――…」

　　───　彼らの同僚の中に、全く同じ容姿を持つ者が居るからだ。
ジヴリル「………」
　　───　“虹-ARCUS-”ジヴリル=L=S=クライス

視線を送る。否…皆が皆
　　　　　　　彼に注意が向く。

シェーラと同じく、アゼル=クライスを師に持つ少年。
師が、聖母殿に連れ帰った少年。
───　今まさに、敵として討たんとする“銀灰”そのものだった少年…。

彼は、ただ、壇上の自分の写し身を、深い闇を湛えた目で睨みつけている。

ソフィア「………　以上、状況を開始してください。　我等の行く先に氷の癒しと聖母の慈悲のあらんことを」

作戦の説明が終わり、局員達は各々の準備に入る。
ジヴリルは……一人、今だ投影されたままのホログラムを見据えて立ち尽くしている。

もともと…準備などほぼ必要としない
絶滅の騎士は、ほぼ、常在戦場

とはいえ

「（――…準備する武装もありませんけど）」

周囲を見やり
「―――…ジヴ君…？」

ジヴリル「………？　あ、シェーラ」　　呼ばれて始めて我に返った、と言う風情。

「…大丈夫…ですの？」
何が…とは聞かなかった

ジヴリル「いや、平気……平気だよ。寧ろ絶好調」
ぐいぐいと、鋼の右腕をストレッチしてみせる。…全く意味が無いのだが。

「そう…少し…いつもと雰囲気が…そうですね、貴方に似つかわしくなさそうでしたので」

ジヴリル「……あれ？そ、そか。……参ったな」
ジヴリル「あいつ等を倒すのは、気分的にちょっと複雑だから……」
ジヴリル「ま、作戦はちゃんとこなすよ。…準備してくる」

「……」
その背を見つめる
「――…無理…するでしょうね―――…眼を離さないようにしておくべき…」
それは、勘でしかなかった
けれど


「――…先輩として…ね」