《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“銀色の虹 with 魔術争乱”

　　　　　　　　　　　　　　ばんっ！！！


天上を叩きつけるような音が響き、
光の卵に代わって突然に現れて空を覆っていた暗雲は、突然に晴れ渡る。
その空の中心に浮かぶのは、煙を噴き上げながらも立ち尽くす巨神。

その威なる姿に、誰もが魂を震わせる。　　　畏れと言う感情に。


畏れを恐怖に、恐怖から怯えに感情を転化させたのは、かの魔導書を焚書にしようとしていた軍人達。
パニックに陥った彼らを、和泉は引き止めることも叶わず───


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　───空に、光の点が見え始める。


　

「主は哀れみ賜う、救い賜う………例えそれが如何なる行為であっても
「それは彼らの保身であるのかも知れずとも、その後ろにある数多の命のきらめきを護らんとするものなれば
「正義と慈愛の名の下に彼らの魂に氷の癒しのあらん事を」
十字をきり祈りを捧げ
そして、一歩を踏み出す。

ジヴ「真央？」

「とはいえども、私はこれを”はいそうですか”と許容できるほど
「聖人君子ではありません
「故に身命を賭してこれを阻止します」

ジヴ「───………」
頭上の光を見上げる

ジヴ「………一人で？」

じ、と真央に視線を戻す。

「心配は要りません。貴方と違って自身の命を犠牲に………なんてことは考えていません、よ？
微妙に視線が合っていない

ジヴ「むぅ───　それを言われたら、僕も返す言葉は無いけどさ」
右手を、ジヴの左手に取られる。

「ええっと、なんです？

ジヴ「真央は僕の無茶を止めたよね」
ジヴ「───今度は、僕が手伝うよ」

「これを」

ジヴ「西島さん？」

首に提げたお守り――白銀色の糸を、束ねて結った小さな輪を、ジヴリルに手渡す。

ジヴ「これ………」　受け取ってから、西島を見上げる

「聖人の素養のある、ある女性が、手ずから祈念を込めてくれた毛髪です。君なら扱えるでしょう」
「いいですか、貸すだけですからね」

ジヴ「………っ。はい」

「あー……えーと、そういう物と思いを託されると
「やっぱり、命を散らせるわけには……行かないですよねぇ

「俺の守護天使の加護です。借りたまま逃げたら、地獄か天国か、どちらまでも追いかけて、修羅道へ案内しますぜ」

ジヴ「それは───ちょっと、勘弁願いたい、ねぇ」

「では、道案内を受けないように、終わらせてしまいましょう」

「貴方とその女性に永久の加護と幸福のあらんことを
「彼らの絆が永久に途切れずにあらんことを
「押された罪の烙印が消えずにあらんことを
「この街にある命の輝きの失われずにあらん事を
「切に願います」

跪き、手を合わせる
「手を握っていてもらえますか？私が、還って来られる様に」

ジヴ「ん」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　光点が大きく、強くなる。
真央の左手にジヴリルの左手、右手が重ねられ

「母の家系に伝わる術だそうですが、初めてなので……不安だったんです」
「ですが、貴方が居てくれるのなら」

《守護神》
ミサイルの消去

ジヴリルの手の中には、西島の細君手製の御守。

この術は命を喰らう
龍族の守護神を呼ぶが故に

少年には術式の構成を外側から見ているだけで、それが手に取るように分かる。

門を開いた体からは
魂が抜け出ていく

繋ぎ合わされた手から、真央の[魂-GHOST-]の手がすり抜けてゆく。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DIVINE WORK《Mutation》az《Fenix》


　　　　　　　　　　　上空に輝く光の点は、同じく光の点として昇った龍に消し去られ───