《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“銀色の虹 with 魔術争乱”

がやがやと人の賑わうアサクサの繁華街。
大通りを少し外れれば、縁日の如く屋台の賑わう裏通りに入る。
立ち込める香ばしく焼ける食べ物の匂い。
晃・セレスティア・倉前もまた。
そんな通りで屋台を構える者の一人だ。
　
　　　ジャァァッ
　
両手のコテを素早く閃き。
鉄板の上を具は踊り、見る見るうちに鉄板焼きが仕上がっていく。
　
〈芸術:鉄板焼き〉＋〈自我〉＋〈元力:火炎魔人〉【理性】　S5切り
　
ほう、と溜息を吐くのは、屋台を構える古参のテキ屋。
「あの技……倉前組の」
と、懐かしげに声を漏らす。
　
「……今日は油のノリが悪いな」
藤咲組から借りた場所で鉄板を焼きつつ、ぽつりと呟く。
藤咲組の先代の系列、倉前組の先代の母より受け継がれた業は少し鈍っているのだろうか。
　
と、ひとしきりコテをならしつつ。
ふっと、顔を上げた。
街の匂いが、常とは違う……。
どこか、不安にかられているような、浮き足立った空気を。

　　　　　　　　　　　　　　───　ぬめる様な、抜き身の刃のような
　　　　　　　　　　　　　　───　殺気。
　
ただのやくざ者には到底出せない、ホンモノの殺気だ。
それを浴びている一般市民も、
無自覚の内に不安を感じ取っている。
　
公衆DAK『………次のニュースです』
公衆DAK『先ほど、午後3時前、トーキョーNOVA行政府より、房総南国際空港の閉鎖命令が発令されました』
公衆DAK『この影響により午後の便が全て欠航となり、企業各社及び一般の利用客に動揺が…』
　
………一言で言えば、きな臭い。
　
客「いやぁな空気だねぇ………」

眉を微かにぴくりとだけ、動かすと。
「ええ」
無愛想にそう呟き、
鮮やかな手つきで、客に鉄板焼きを回す。
この者も教会の情報提供者だ。
さり気無い仕草ひとつに、多くの示唆が有る。

「では、また。よろしくお願いします」
仏頂面で頭を下げて、別れる。

そして、また鉄板に向かい。無心にコテを操りながら。
先ほどから続く、胸のざわめきの中……。
　
　　　　『　剣など捨てて、あなたは包丁と鍋を手にしたら良いと思います　』
　
　ふっと、脳裏に過った。
　
「……？」
　
　微かに頭を振り、ついで鉄板に向かい。
　次の客を待つ。
　
■リサーチ
日本側の今回の事件に対する動きについて何か。

社会：アストラル　軍事　企業　警察　ストリート　藤咲組
10　15　18

10　　ストリートに多くの兵士を潜り込ませて、二つの書物の捜索に当たらせている。
　　　“妖魔来寇”と“■■教書”───この二つと、真教浄化派、そして………“教書”の持ち主を探し出し、
　　　抹殺する心算でいるようだ。

15　　空港を封鎖したのもNOVA軍の手回しだ。正確には、黄泉千五百軍中尉、甲斐正孝の指示である。

18　　作戦にはタイムリミットを設けてあるようだ。
　　　それが何時かは分からないが、作戦が完了しなかった場合は───

（……猶予はない、か）
　表情を引き締める。
　同時に、“■■教書”と言う名に。
　また、胸がざわめいた。

〈社会:ストリート〉　【理性】９＋Ｓ８＝１７
　
「お一ついただけますか？
そんな胸中をまったく察していない一声

「……っ」
顔を上げ、ついで口元を引き結ぶ。

目の前には場違いな服に身を包んだ女がいた

「どうぞ。一枚1カッパーです」
　仏頂面で応じる法被姿の男。
　微かな胸のざわめきに、反応が遅れたのは不覚であろう。

「ありがとうございます……はい、御代です」
そう言って2カッパーを出し

「　毎度　」

「気づいて頂けなさそうだったのでこんな切り出し方をしましたけれど
品物を受け取りつつ
「本題、よろしいですか？」

「ああ。よろしくお願いしよう」
鉄板にコテを走らせながら、目線を合せず。
カチャカチャと鳴る音。鉄板焼きの焼ける匂い。

　　　　　　　　少し離れた所には、黒髪の少年も立っている。耳だけは此方を向いているようだが。

「今、真教浄化派のことで街全体が騒がしいのはご存知かとも思いますが

「ああ」

「そのエージェントが魔術協会から強奪した魔導書を持ち込んでいるという事は？

「肯定だ。自分はその処理の為に、ここにいる」

真教浄化派と聖母殿の関係を知らないアストラルの人間は、居ない
真央が言いたいことと言ったら想像にかたくは無いだろう

「身内の恥を承知で肯定した。それ程に事態は緊迫している」
「貴方方と目的の多くは共通していると認識しているが、どうだろうか」

「ええ、故に私どもとの共闘を申し入れたくこうして来た次第です」

「それはこちらからも願い入れたい所だった。慎んでお受けしたい」
一つ頷き、顔を上げる。

「アストラルのことも知らない一般人の方々に被害が広がる前に
「食い止めましょう」
そう言って、真正面から晃の瞳を見つめ

「承知だ。自分も、まさにその為にここに在る」

そして、頷く。

　その瞳を正面から、揺るぐことなく見据える。
「貴方方も難しい決断であったと思う。その決断に敬意を表したい」
　ちらりと、黒髪の少年を見やる。
　気付いていたのだ。
　この屋台に入る前、この少女があの少年と。
　長く、議論を重ねていた事を。
　それ程に、重い決断であったのだろう。晃はその重さを正面に受け止めていた。

　　　　　　　　　ジヴリル「………」　腕組みをしたまま、宛も無く視線を彷徨わせている。

「………あの、いえ………そこは」
顔を真っ赤に染めてうつむく
「気づいていらっしゃったのなら声ぐらいかけて…いただいても」

「決断とは重いものだ。組織の面子も軽くはない……貴方方の迷いは当然と認識している」
　それ故に、信頼に値するのだ。
　す、と手を差し出す。
　そこにあるのは、今まで調べた情報の乗ったデータクリス。

「ありがとうございます。そのデータについては移動しながら確認させていただきます
「が、今は潜伏中の浄化派を探し出すのが急務
「とく、ご準備を」

　その言葉に立ち上がり、腕を一振りする。
　と、背後にいた男達が一斉に屋台に群がり解体。
　すっと、法被を脱ぎ捨て
　男達の持ってきた長いコートを羽織る。
「……ああ。では、行こうか」
　歩みだす、何事もなかったように。

その後ろに付き従うように歩き出す

「一応、探りは入れておいた」
　
　微かな羽音と共に。
　背中越しにかざした腕に、赤い燕が舞い降りた。

■浄化派の潜伏先
を、リサーチします。

社会：アストラル　真教　浄化派　　コネ：“銀灰”　“黒”　“虹”
15　18　神業

15　　スラム街を中心に浄化派が展開している。
　　　NOVA軍もそれを察知したのか、スラムを包囲するように部隊を展開させている。

18　　スラムのとあるポイントに、浄化派の施設が隠されている。───[アドレスを入手]。

神業　　　その施設には■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■───検閲削除

「全ての中心地点は、ここのようだな」
　手にした端末に写された地図。
　その端を、燕が嘴でつついている。
　
　　　“　ここが『今回』の死に場所らしい　”
　
　脳裏にふっと、そんな声が聞こえた。
　だが、微かに頭を振って追い出し。
　
「色々と匂う。だが、踏み破るしかないと見ている」
　静かな眼差しが真央を見やる。
「家訓ゆえ、生と死の分かれ目があれば、死ぬ方を選べとある。自分の意志は決まっているが」
「共闘者として、貴方方の意見が聞きたい」
　淡々と告げる。

ジヴ「………其処は………？」
　　　　　　　　コツ、と示された地図のポイントを見て微妙な………些細な表情の変化。

「虎穴にいらずんば、と聖母様も仰っています。軍が動かないのならある意味好都合です。戦火が無駄に大きくならないかもしれませんから」

ジヴ「………うん」

「では、それで決まりだな。我々の手で決めれば、それが最善だ」
　無愛想な鉄面皮で頷く。
　傍らの少年の微細な感情の動きに気付くことなく。
　その目は、真っ直ぐに前だけを見据えている。

彼らに死人を出さない事が出来ればそれが一番とは言えず、心にしまう
「では、突入を」

「ああ。では、行こう。全てを食い止め、終らせる為に」
　
　そう告げて、男は前に踏み出した。
　
　今まで、何度となくそうしたように。
　幾度となく、そうしてきたように。
　
　“今回”もまた、男はその一歩を踏み出したのだった。
　
　……今回もまた繰り返される死へ、その一歩を。

　　　　　　　　　　　───NOVA軍よりレッドエリア封鎖が発令されたのは、その直後であった。






　

◎　フェルト

登場判定でH5切ります。
　
わたしの本当の主についてリサーチします。
〈コネ：最初の"魔術師"〉【生命】5＋H7=12

記憶の中にある青年。
自らの、在る筈の無い、コワレタ魂が、惹き寄せられる。
彼もまた、この世に黄泉還っている。
　　　　　　　　　　　　　　　───この街に、居る。

◎　西島

登場失敗Ｃ８捨て
甲斐正孝特務中尉について。

社会：アストラル　企業　ストリート　軍　　　　コネ：和泉藤嵩
10　13　15

……むむ。
〈交渉〉＋〈コネ：藤咲竜二〉

許可。

では　【感情】３＋２コネ＋ＣＫ＝１５

10　日本軍の保有する呪術機関。
　　日本軍でも一部にしか存在を知らされていない非正規部隊、黄泉千五百軍の前線部隊指揮官。
　　剛毅果断の人であり、日本本国に対する忠誠心が篤い。
　　彼自身も術の心得があるが、その本質は剣をもって事態を両断するカタナ。

13　スラム街を封鎖し、二つの書物とその所有者を追っている。甲斐のアドレスを入手。

15　自らも前線に立ち、場合によれば己の手で浄化派と伝説の魔導書を斬り捨てる心算である。