テレサ: 回収した宝物を秘蹟管理局に渡し――……
テレサ: 「――ジヴリルに――不甲斐ない、と言ったが……」
テレサ: 「――我らも気を引きしねばならぬ、な……」
テレサ: 共に報告に行き――その帰り――
アルフ: 「そうですね。我々が絶滅騎士団等と、内外から畏怖を持って呼ばれる理由」
テレサ: 「――……」カツ カツ――白の大理石に硬質な音が響く――
アルフ: それは、恐怖を持って抑止力となる事に他ならない
アルフ: 誰よりも、失態の許されぬ身である
テレサ: 「――……」頷き「――我らが鉄槌は――」
テレサ: ただ、速やかに――そして、 “等しく”振り下ろされねばならぬ――
テレサ: ――全ての罪に――
アルフ: 「今回の件は、我々だけでは分が悪かった……彼等に、感謝せねばならぬ事は事実でしょう」
アルフ: 「ですが、我々だけで“足りる”そうならなければいけないでしょう。困難な道ではありますが」
テレサ: 「――……」大きく、頷いた
アルフ: そして、 “等しく”庇護せねばならぬ
アルフ: ――全ての罪無き者を――
テレサ: ――それが、我ら、聖母の僕、聖氷の騎士――
テレサ: 冷厳なる処刑人にして 高潔なる騎士
テレサ: 「――慈悲深き聖母の加護――罪無き子らに遍く満ち渡れ――」
テレサ: ――どこからか聞こえる
テレサ: ――祈りの聖歌が響く――
テレサ: 「――……」
テレサ: ――聖母の慈悲は、罪無き子らに
テレサ: ――我らは、この魂が消滅せんとす その時まで――
テレサ: ――聖母の慈悲に抱かれるわけには行くまい――
テレサ: 全ての災禍を打ち砕くまでは――それは、我らが誓い――
テレサ: 「――……」
テレサ: 響いていた靴音――規則正しく大理石に響いていた音が1つ、忽然と消え――
テレサ: 『我らいつ如何なる時であれ 聖氷の御許に あらん』
テレサ: 後に響くは、少女が歌う聖歌――