RL揚： 警報が鳴り響き、無数の足音がそれを追う。
RL揚： 状況を示すコードはオールレッド。
RL揚： 当然、局外要員であるテレサにも出動の命が下り、 侵入者を追う。

RL揚： そう、侵入者だ。
RL揚： この、聖母殿の中にあって聖母の御座に次ぐ堅牢な防御の敷かれた宝物殿に、である───

RL揚： 「居たか？！」　　「いや───」
テレサ： 「――……く」

RL揚： 感じる気配は一つではない。無数。正確な数をはじき出せない以上、無数と表現するしかない。
テレサ： 仲間の声を聞き――彼女にしては珍しく、悔しさが思わず声に出る――
テレサ： 神聖なる聖母の領域に侵入するとは、許し難い――
RL揚： 　　　　「ぐはっ！」　　　「うわああっ！！」

テレサ： 「（――どこだ……）――!？」
テレサ： 「どこにいる――……」
テレサ： 仲間の悲鳴に駆けつけ――手には不可視の糸に冷気を纏わせつつ――
テレサ： 「――！（――そこか!？）」
RL揚： その瞬間、背後に降り立つ殺気の塊───！

テレサ： 「――……っ」
テレサ： 不覚、不覚、不覚――!!!!
RL揚： 唸りを上げて視界に伸びたのは“光の剣”───！
テレサ： 「――……」糸で絡めて辛うじて受け流そうとする――
テレサ： 上半身を捻りつつ――振り向き様――
テレサ： 「――……くっ――何奴……」
テレサ： 「――我らが聖域にて不埒を成すとは……」

テレサ： 糸に冷気が集まったからか――いや――
テレサ： 対峙するこの敵のせいか――気温が、下がる――

RL揚： 振り向いたその先に立つのは、光を放つ大剣を構えた、黒衣の男。

RL揚： ───曰く、“Wizard”級ニューロ。
RL揚： 　　　───曰く、Webに奇跡を起こす“魔法使い”。
RL揚： 　　　　　　───曰く、“氷の静謐”の“銀”を冠する“傀儡”───。

RL揚： 　　　「時間切れか。予定よりは成果が上がらなかったな。」
テレサ： 「――！」
RL揚： 　　　　　　　　　　　　　　男は剣を振り捨て、光の粒子に返し身を翻す。
テレサ： 「――待て！」

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