RL柳生： 「久しいですね、伝説。呼び出しに答えたこと、ありがたく思いますわ」
RL柳生： サロンの一室、女大公が豪奢なソファから立ち上がり、優雅に一礼する。

ギャリック： 「“女大公”に呼ばれるとは光栄の極み──」
ギャリック： 膝をついて、手を取る。

RL柳生： 「ふふふ。変りませんね、あなたは。そう。あの頃から……」

RL柳生： くすりと喉を鳴らし、ゆっくりとその手に触れる。
RL柳生： ひやりと冷たい手だ。
RL柳生： 「さて、あなたも忙しいですし。早速、用件を述べますね」

ギャリック： その手を受け取り、
ギャリック： 「何でもやらせていただきますよ。　久々の招待でもありますからね」

ギャリック： 笑顔を向ける。だが、女大公の用件はいつでも難しいことを言う。
ギャリック： それを予想して、少し心を引き締める。



RL柳生： 「そうですね。用件と言うのは簡単です。一人の殿方を護って頂くことです」　
RL柳生： 童女のように無邪気な顔で、眼は妖しく細める。

ギャリック： 「ほう。　男性ですか──大公のご友人かなにかでしょうか？」
RL柳生： 「いいえ、むしろ宿敵と言う奴かしら……まあ、命の獲り合いに優る深い付き合いは、ないかもしれませんが」

ギャリック： 少し眉をひそめ
ギャリック： 「ほう、それでも護りたいと。　その素晴らしい方はどなたです？」

RL柳生： 「ユリウス・シュテルン。あなたなら“聖王”と言った方が、通りが良いかもしれませんね」
ギャリック： 「“聖王”を──？　彼でも敵わぬ何かが、あると？」



RL柳生： 「聖者を狩る者。【堕天の赤槍】が彼を狙っているのですよ。そして、彼の心は一度砕かれている」
RL柳生： 「相性と言うものは、どうしようもなく存在するものですからね」
ギャリック： その名前を聞けば誰もが驚くだろう。
ギャリック： もっともだ。彼にとってそれは相性が悪すぎる。　一人では──

ギャリック： 「確かに。　それに心に刻まれた“敗北”は、そうぬぐえるものではありませんからね……」
ギャリック： 驚きで少々乱れた髪をかきあげる。

RL柳生： 「これが三百年昔なら、私も【愉快痛快】と膝を打つ所なのですが……」
RL柳生： 女大公は微かに口の端を吊り上げる。

ギャリック： 「ふふ。そうかもしれませんね。　わかりました」
ギャリック： 「このギャリック・ゲニハイムス。　全力を持って彼を護らせていただきましょう」
RL柳生： 「ええ、頼りにしてますわ、伝説」

ギャリック： 「おやめ下さい。貴方にその名で呼ばれると、少し恥ずかしい。　本当の“伝説の存在”の前で“伝説”などとは」
ギャリック： 苦笑し、アルドラの手を引く。
RL柳生： 「では、ギャリック・ゲニハイムス」
RL柳生： その手に引かれ、立ち上がり。

RL柳生： 「お任せしましたよ。そして願わくば、あの愚かしくも眩き赤き魔槍に、しかるべき……」
RL柳生： 　　　　　　　言いかけ、微かに苦笑。

RL柳生： 「いいえ。全ての結末は、全て流れに任せましょう」

RL柳生： 　　　　　　女大公はおどけたように口の端を歪め、

RL柳生： 　　　　　　　　「それでは、彼の者に氷の導きのあらんことを」





RL柳生： 　　　　　　　　　シーンエンド

---