《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“銀色の虹” ─反撃─

“早期警戒機構”、と言っても、書類上にそう言う部署として記載されているわけではない。
あくまでも隠密部隊であるし、平時は彼女一人で執務することも多い。
故に、部屋の扉には『坂縞ユウラ』と名札だけが掛けられている。

コン　コン
規則正しい2回のノック。

　　　　　　　　　　　　　　　　───　『どうぞ』
直ぐに扉の鍵は開かれる。

〈芸術：チェス〉+〈精鋭部隊〉+〈直属部署：クグツ〉+〈社会：企業〉+〈予算獲得〉
【外界】11 + DQ =　21

『失礼』
扉を開き、数人のクグツが室内へと踏み込む。

ユウラ「こんにちは、神楽課長。御用でしたらお呼び頂けたら伺いましたのに」
　　座っていた椅子からゆっくり立ち上がると挨拶を述べる。

「アポイントメントなしにそのような失礼はできませんよ。坂縞班長」
その中心から、一歩前へ。

双方スーツ姿。元来荒事とは無縁の二人は自然体でその場に立つ。

「貴方の前で、要件の説明をするのも聊か間の抜けたことのようにも思えますが――」
「千早重工査察部、“早期警戒機構-Early Warning System-”坂縞ユウラ」
「貴方に業務外の活動の疑いがかけられています」

ユウラ「───ええ、存じ上げております」

「巨額の使途不明金、及び企業法、刑事法に抵触するテロ活動支援容疑」
「弁解はありますか？」
Key！
〈知覚〉【理性】SA=21

　　　　　　　　　　　　⇒Scene Card：Kuro-Maku

───いや、茶番だ。
　　　こんな状況を整えたこと自体。

ここに居るのは坂縞ユウラではない。
クグツ達が、そして刹那が包囲したのは“銀灰の魔術師”。

「返答によっては、貴方の身柄を拘束させていただきます」
だが
その茶番を変わらず演じる。

ユウラ？「………ふふっ。仕方ありませんわ。そろそろ皆様の目を誤魔化すのも限界の様でしたから」
ユウラ？「でも、その前に一つ、お話をさせて頂けないでしょうか」

「なんでしょうか？」

ユウラ？「このまま私に、業務を続けさせては頂けないか、と言う提案です」
ユウラ？「…もちろん、貴方には些少ですが、見返りを」

「見返り、ですか」
微笑を浮かべる。
「続きを」

ユウラ？「“黒の”アムールのクローン兵士量産施設、及び技術の一部を供与致します」

「おや。貴方は“黒の”アムールとは敵対する勢力に組していると耳にしましたが」

ユウラ？「勿論。敵対する事で手に入る情報と言うものも少なくありませんから」
　　　───お互いに『言葉に裏がある』ことが前提の会話が続く。

「なるほど。それは道理です」」

「良いでしょう」
「通常業務を続けるという条件下ならば、今回のことは不問にいたします」

ユウラ？「ありがとうございます」　嬉しそうに笑顔を浮かべ、頭を下げる。

「幸いにも、軌道勢力からの通告にとどまり、未だ後方処理課に動きはありませんから」
「例には及びませんよ」
苦笑し。
「私としては、どちらでも良いのです」

ユウラ？「いいえ。ここで業務を止められてしまうと、私も困っちゃいましたから。───それでは、これを」
　データクリスをデスクから取り出し、クグツの一人に握らせる。

「確かに。それでは」
一礼し、来た時と同じように部屋の出口へと向かう。

ユウラ？「お互いに良い結果が出ると良いですね。　お疲れ様です」
　　微笑と共に見送る。

「そうですね。良い結果が出るでしょう。“お互いに”ね」
微笑を返し。

　　　　　　　バタン

部屋を後ろにする。

　　　　　　　　　バキンッ

「収穫あり、といえばあり、ですか」
廊下の途中、データクリスを二つに折り、呟く。

「彼女……彼かもしれませんが……から眼を離さないように」
近くのクグツに。

クグツ「はっ！」

「彼女が業務を続ける限り、千早重工に対するアクションはないでしょう」

クグツトループ：〈メイデイ〉【生命】11＋J=21

「睨みあいは、双方の望むところでしょうから、ね」

千早重工……
正確には“早期警戒機構”からの援助。
それこそが、“敵”の叩きたいところだろう。
だからこそ、カゲムシャなどという代役を立ててまで足止めを図っている。
“早期警戒機構”からの援護を打ち消すことで、自軍の有利を確保するはらだ。
ならば――

「Pawnを召集。それと、“彼”を呼んでください」
「命令優先は、“坂縞ユウラ”の確保」
「アドレスは追って示します」
「現状では、KBの7（ミトラス）へ」
「そこに、キーパーソンが居ますから」

◎　柘榴

登場判定D2
【外界】以下で　豪気　フェイトコート購入
以上。

◎　シェーラ

登場判定　C2
対“銀灰”プログラムの使用条件等情報

社会：アストラル　コネ：ジヴリル
15

15　“銀灰”は、自身がニューロ、ないしそれに相当する力を持つ強度のサイバーサイコであることが多く、
　　彼らのIANUS間には、一つのネットワークが構成されている。

　　その中枢を担うのが、指令塔に当たる『調整体』と呼ばれる“銀灰”である。
　　件のプログラムが最も効果を発揮するのは、その『調整体』のIANUSに直接プログラムをロードする事である。














━─━─━─━─━─━─　中　断　━─━─━─━─━─━─





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