《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“銀色の虹 with 魔術争乱”

朝日の差し込む教会の中で
聖氷十字の前で跪き祈りを捧げる

全てはこの事件で死んでいった人たちの冥福と癒しの為に


「主よ、私は無力です。救いたいと願った者を救えず
「断ちたいと願った運命の連鎖も断ち切ることは出来ませんでした
「結局私には力でねじ伏せ、押し通ることしか出来ないのだと改めて痛感しました
「主よ、私を罰してください。私のこの罪を人を傷つけることしか出来ない力を」
懺悔しても、失われた物が還ってくるわけでもないのは分かっていても
次に繋げる為に理想の為に口に出し、誓いを新たにする。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かちゃ、ばたん。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コツコツ───

扉を開け、人が入ってくる。───真央の居る場所の少し後ろの椅子に腰掛ける気配。
振り向くまでも無く、気配で分かる、その人物は
　

「お祈りですか？」
立ち上がり振り向きながら問う

ジヴ「ん───そうだね」
前方中央に立つ十字架を見上げ、胸の内にわだかまるものを抱えきれぬ様子で溜息を付く。

「心の中でのみ呟き、思い悩むだけでは前には進めません
「口に出し、己の耳で聞き、己の目で見定め、決めて
「再度足を踏み出す事が大事なんです。人に聞こえる位の声で言う事でその決意はさらに強まります」
「聞いている人が居る、周囲の人が見ていることを認識するんです」

ジヴ「………」
　　　　　　　　　　　　　　　一度、二度、口をあけては止める
ジヴ「───アイツラは、さ」
ジヴ「僕にとって───恐怖の象徴？見たいな感じでさ。………ずっとみっともないトコ見せてたけど」
ジヴ「僕はアイツラで、アイツラは僕で。浄化派を抜けた後も、心のどっかでずっとそれを意識してて」
ジヴ「今度みたいな事件で思うんだ………。未だ、僕は『こっち』の住人じゃないんじゃないか、って」

「こっち側ってどういう所ですか？」
「あなたの言う、私の居る場所ってどういう所ですか？」

ジヴ「………」　　真央の方を振り向く

「そこは、何も知らずに日常を過ごしていた人々の居る場所とは違う場所ではないですか？」

ジヴ「………───」
ジヴ「………ん、ごめん」
ジヴ「僕の居場所は、何処なんだろうって。煉の写し身で、浄化派の作った人形で、その裏切り者で………」
ジヴ「時々、足場がないような気がするんだ。何処までも落っこちてく感じ」
ジヴ「だから、不安になる………」
こくん、と首を縦に振り
ジヴ「聞いて欲しい。　僕が立ち止まってる理由。僕が、歩きたい方向───キミに、聞いて欲しい」

「………はい」
「貴方の言葉を受け止めます」